幸運の正体とは

結論

幸運の正体は、根拠の無い自信

訳あって、幸運を呼ぶグッズのページを作ることにした私が、幸運について考えた末に辿り着いた答え。それが「幸運の正体は、根拠の無い自信」です。あくまで個人的な見解ですが、どうして「根拠の無い自信」という答えに至ったのか、もし興味がおありでしたら、読んでいただけると幸いです。

幸運を呼ぶグッズが生まれる背景

四葉のクローバー

「幸運を呼ぶグッズ」と聞くと、何を思い浮かべるでしょう?

絵画? 写真? 四葉のクローバー? 当たった宝くじ?

いろんな物があり、場合によっては「縁起物」なんて呼ばれたりします。縁起物は縁起を祝うための品物。だるま、招き猫、熊手、七福神、宝船、紅白……。それぞれに由来がありますが、中には商売上の理由から生まれた可能性が示唆されるものもあります。

茶柱

「茶柱が立つと縁起が良い」

吉兆の前触れとして有名な縁起物ですが、これは質が劣って売れ残る二番茶を売るために、茶商人が吹聴したという説があります。そもそも、茶柱が立つには、茶葉に混じって茎が入っていなければけません。茶葉だけでは立つ物が無いので。

つまり、茎が取り除かれなかった質の悪い茶ほど、茶柱が立ちやすいことになります。質が悪くても「縁起が良い」となれば、売れるでしょう。プラス面が強調されれば、多少のマイナス面は目をつむれる。茶商人は、イマイチな茶が売れて万々歳。

まさに、茶商人にとって茶柱は「幸運のグッズ」そのものです。

幸運の条件

こうして生まれた縁起物。幸運のグッズは、有名になるにつれて、幸運の条件が付け加えられていきます。

人

「茶柱が立ったら、人に知られないうちに、こっそり飲み干さないとダメ。でないと、幸運が逃げるんだ」

人

「茶柱が立ったことを人に話すと、その人に幸運が移るって聞くわ」

人

「立った茶柱は、着物の左袖に入れるといいそうよ」

どうして、幸運をもたらす条件が追加されたのでしょう? 茶柱が立つだけで、よかったはずなのに……。おそらく、茶柱が立ったけど、幸運に恵まれた人と、そうでない人が出たからでしょう。

「アイツが幸運になって、お前がダメだったのは、人に話したからだ」といったような差を見つけ、さも幸運の分岐点があるように言うことで、「茶柱に効果は無い」という意見を封じ込める。何かに似ていませんか?

ジンクス

「靴下を左足から履いた日は調子がいい」

そんなジンクスがある人も、いるのではないでしょうか。そのジンクスができたキッカケは、「珍しく左足から履いた日、草野球でホームランを打った」みたいなことだったりします。

あのとき、ああして、うまくいった。本来であれば、野球に関係する要素と結びつくはずなのに、あまり関係のないところで関連付けられた記憶。それがジンクスかもしれません。

「靴下を左足から履いたのに、今日は三振だった」

そうなると、「今日は、履くのに時間がかかったからダメだった」「靴下の色が悪かった」みたいに、幸運を導く作法が間違っていた。幸運の分岐点を誤ったからだと考える人もいるでしょう。だから、茶柱の話に似ていると書いたのです。

案外、幸運のグッズが誕生する背景は、こんな話の積み重ねかもしれませんね。

幸運のグッズを求める理由

人が幸運のグッズを求める理由は、「幸運になりたい」以外に考えられません。人は「幸運を呼ぶ存在」を求めているのです。なぜか?

「得をしたいから」

「叶えたい願いがあるから」

というのが、一番シンプルなところでしょう。これを突き詰めれば、ちょっと嫌な感じの理由も透けてきます。

考えてみてください。自分の力で何とかしようとしているなら、もしくは何とかできるなら、幸運のグッズには頼らないのでは ないでしょうか。

運に左右される願望があって、自分の努力だけでは どうにもならない。それなら、祈る気持ちも多くの人に理解されるでしょう。

しかし、願望の実現に向けた努力を放棄しているのに、幸運が降り注ぐのを期待するのは、応援したくなる人物の姿ではありません。もしも幸運をもたらす神様がいるのなら、選びたくない人物そのものでは?

なのに、幸運のグッズの多くは、「手に入れるだけで、幸運がやってくる」ことをアピールしています。どうしてでしょうか? そのことを幸運グッズの特徴から考えてみたいと思います。

幸運グッズの特徴

  • 手に入れるだけで効果があると言っている物が多い
  • 幸運が訪れないなら、それは信じる気持ちが足りないから
  • 幸運を理解するのに知識は要らないから、ターゲット層が広い
  • 幸運になったという口コミの数が重要。ほかにセールスポイントが無いため
  • 効果が無かった人よりも、効果があった人の方が声が大きい
  • アピールされる効果は、恋愛・開運・金運アップが多い。占いの相談内容と類似
  • プラスのイメージが広がれば、プラシーボ効果が期待できる

当たり前の話かもしれませんが、「手に入れるだけでいい」というのは、購入のハードルを低くする効果があります。使い方が難しいと、それだけで避ける人が出ます。せっかく、「幸運」という誰にでも理解できるセールスポイントがあるのに、変に難しくする必要なんてないのです。

なので、仮に効果が無かった場合の逃げ道も、簡素なものがベスト。使用方法が違っているから効果が無い、使用した時間がどうのなんて小難しい理由は要りません。「信じる気持ちが足りなかったから、効果が無かった」というアバウトで、測定しようのない言い訳が最良。

そもそも、理屈っぽくなるほど、怪しくなります。なぜなら、効果の有無は、他の人の体験談でしか語れないからです。科学的な説明なんて不可能なんですから。

「これを買えば、あなたも幸せになれる。想像してみてください。理想の生活を送る貴方を」

そんなことを書いて、「幸運のグッズのお陰で幸せになりました」という口コミを並べていく。ターゲット層が広い商材なので、多くの年代から支持されているのがわかるよう、20代女性、30代男性、40代女性、50代男性と、口コミの年齢層も様々にする。

こうして、手に入れるだけでいい幸運のグッズが誕生するのでしょう。もちろん、販売者側に幸運をもたらすグッズとして。

本当に効果がある幸運グッズ

「本当に効果がある物もあるんだよ」

といったことを言いたくなる人もいるでしょう。占い師は数多く言えるけど、中には“本当に未来が見える人”もいる。それと同じように……。

そのことを否定する気はありません。ツチノコの存在を否定するには、存在する可能性をすべて否定しなくてはいけません。悪魔の証明に文字を割いては話が進まないので、幸運グッズの特徴として挙げた残りに言及していきます。

「効果が無かった人よりも、効果があった人の方が声が大きい」というのは、「あの占い師は当たる」に似ています。占ってもらった後、当たっていたら誰かに話したくなるけど、あまり当たっていなかったら人には話さない。

そこには「良いものを広めたい」「拡散して共感されたい」という気持ちがあるでしょう。当たっていなかった場合は、ギャンブルで負けたのを隠すように、イマイチな占い師に散財したことを知られたくない気持ちがあるかも。もしくは、単純に話のネタになりにくいとか。

重要なのは、当たったときの方が拡散されやすいこと。

世の中にはいろんなプロがいますが、100回やって100回うまくいくとは限らない業種もあります。占いに当たる確率があったとして、100人中40人が当たり、その40人が「当たった」と言ったとします。残りの60人のうち、半数の30人が「当たらない」と言った場合、その占い師の口コミは、40対30で「当たった」が多くなります。

「あの占い師は当たる」という噂は聞きますが、「あの占い師は当たらない」というのは、あまり聞かないのではないでしょうか。そこには、こんな事情があるのかもしれませんね。

そして、その当たったという口コミを見て、占いをしに行く人は「当たる占い師」という先入観から、「当たっている」と思い込みやすい。こうして、当たる占い師としての知名度が増すこともあるでしょう。同じように、「本当に効果がある」の背景には、効果があった人の声の大きさが関係しているかも。

プラシーボ効果

「信じる者は救われる」ではないですが、「これは効果があるんだ」と思うことで、本当に効果が現れることもあります。それがプラシーボ効果。

薬だと言って偽薬を飲ませていたら、薬効なんか無いのに症状が改善された。そんな話になります。もちろん、この効果を疑問視する声もありますが、何事も「良い」と思ってやった方が、「悪い」と思ってやるよりいいというもの。

そういう意味で、「自分は幸運だ」と思うことは大事かもしれません。「どうせ、自分なんて」と思っていたら、「あれをやっても、うまくいかないだろう」という思考に陥りやすい。

逆に、「自分はツイてる」と思っていたら、何かにチャレンジするにしても「きっと、うまくいく」と思えてしまう。そこに根拠なんてありません。でも、自信は根拠が無い方がいいのです。

根拠の無い自信

自信には、根拠が無い方がいい理由はひとつ。根拠がないものほど、揺らぐことが無いからです。

仮に、「すごく努力をしたから大丈夫」という根拠から、自信を持っていたとします。ところが、同じくらい努力をした人が大丈夫じゃなかったら、その根拠は根拠にならなくなってしまいます。そんなとき、人の心は折れてしまうことも……。

上場企業だから大丈夫だと思っていたら、上場を廃止されてしまった。この資格があるから食っていけると思っていたのに、その資格で食っていけない人がいる。こんな風に、根拠にしていたものが揺らぐと、自分の中に確かにあった自信が失われてしまいます。

だから、自信には根拠が無い方がいいのです。

その根拠の無い自信を幸運のグッズで手に入れられるなら、悪くないかもしれません。ただし、「持っているだけで効果がある」とは思わない方がいいかも。

幸運の入手方法

  • 「これがあれば大丈夫だ。きっと、うまくいく」という気持ちで、不安の中でも踏み出すのが大事。
  • 「あれを手にしてから、自分はツイている」と言い聞かせることで、行動から迷いを消す。

そんな風に用いてこそ、幸運を呼ぶグッズとしての真価が発揮されるでしょう。間違っても、「これさえあれば、幸せは約束されたもの」とは思わないこと。これだと、何の行動にも繋がりません。幸せが約束されていると思えば、その時点から頑張るのをやめてしまいがち。だって、何もしなくても約束されているんですからね。そもそも、言葉からして転落人生が待っているキャラのセリフじゃないですか。

後悔の無い人生

アメリカで90歳以上の人に、人生で後悔していることについてアンケートを取ったところ、同じような答えになったと聞きます。それは「リスクがあっても、もっと冒険をしておけばよかった」というもの。

後悔しない人生にするには、リスクにを気にせずに踏み出す勇気こそ、必要なのかもしれません。

とはいえ、現実的に考えたらリスクは取りたくない。堅実な道を歩みたい。堅実だったから、90歳まで生きられた。無い物ねだり。そう考えることもできますが、「幸せ」なんていう感情でしかないものを、理屈で追い求めても仕方ない。

考え過ぎな人こそ、思考を停止するアイテムが必要。脳科学の分野では、子作りは命の危険に晒されるリスクを伴うから、それを行わせるために脳は「恋愛という麻痺機能」を用意したなんて話があります。

恋愛をしていなくても、飲酒などで脳の一部が麻痺し、制御が外れて性衝動が高められることもあります。脳は現実と想像の区別がつかないとも言われています。そのくらい、脳は完璧じゃない。

それなら、幸運のグッズを手に入れた自分はハッピーになると信じ、「幸せの未来図」を思い浮かべるのも一興。想像と区別がつかない脳なので、イメージトレーニングとして有効。良い作用をもたらすかもしれません。

そう、幸運のグッズは自分を騙す為のアイテム。自分を騙して、根拠の無い自信を手に入れるキッカケなのです。「これがあれば、大丈夫」なんて、何の根拠にもならないのですが、その根拠の無さが救いなのです。

慎重になって何もしない利口より、とにかく行動する馬鹿になる。馬鹿になればリスクも怖くない。

失敗が怖いなら、失敗だと思わければいい。あの方法ではうまくいかなかったというのは、ダメな方法をひとつ見つけたという成功体験。

人が幸運だと羨む何かを手にする人は、何らかしら行動していることが多い。行動力が増せば、幸運へと近づく。そして、馬鹿でいた方がリスクを恐れず、思い切り行動できる。

だから、幸運は行動する馬鹿に降り注ぐ。ひたすら行動するには、根拠の無い自信がいる。考えてしまったら迷いが生じるから……。

根拠の無い自信があれば、リスクを前にしてもためらうことは無い。そういう人こそ、後悔のない人生を送れる。

そう思えたので、「幸運の正体は、根拠の無い自信」という結論を最初に書いています。まぁ、自信過剰で冷静に物事が見れていないなら、話は別でしょうけど。

余談ですが、自分は幸運だと思う人と、そうではない人が宝くじを買い、どちらが当たる確率が高いかという実験がありました。結果は、同じ確率という統計的に考えれば当然のものに。

それとは違う実験になりますが、ハートフォードシャー大学の心理学教授リチャード・ワイズマン氏の調査によると、運は選択によるところが大きいのだとか。

どんな調査なのか知らないので、妥当性を検討できませんが、運のいい人は新しい経験を積極的に受け入れ、外交的で、あまり神経質でなかったそうです。その後、氏はラック・スクールを開校し、運が悪い人を運がいい人のように行動するよう指導したところ、運が良くなっただけでなく、幸福度も上がったそうです。

コーネル大学の心理学教授ティモシー・ギロヴィッチ氏によれば、人は失敗したことよりも、行動しなかったことを二倍後悔するそうなので、行動してる分だけ後悔しないから、幸福度が上がるのかもしれませんね。

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↑ リンクを貼られたので、お返しに貼ってみた。