Kindle Unlimited の「既読ページ数」と「報酬」の仕組み

KUは「読まれたページ」に応じて報酬が発生する

私がKindle Unlimited (KU) 対象の本を出して知った、報酬の仕組みについて解説します。

KUは月額980円(※記事作成時)の定額読み放題サービスです。KDPセレクトに登録すると、Kindle Unlimited (KU) と Kindle オーナー ライブラリー (KOLL) で利用可能になります。KOLLは、プライム会員が月に一冊無料で読めるサービスです。

KUの報酬は、読まれたページ数に応じて支払われるのが大きな特徴です。

ロイヤリティ計算のルールと具体例

既読ページ数と報酬のルール

  • 報酬は「KDP セレクト グローバル基金」の分配金として支払われるため、基金の額は毎月変動します。
  • 報酬は初めて読んだページのみに適用されます。既読ページを読み返してもカウントされません。

ロイヤリティの計算例

報酬は、その月の「基金の総額」を「全体の既読ページ数」で割り、1ページあたりの単価を決定してから計算されます。

例:基金が $10,000,000、合計既読ページ数が 1億ページの場合

100ページの本が 100回借り出されて完読された場合は、$10,000,000 × その本の既読ページ数 (10,000 ページ) ÷ 全体の既読ページ数 (100,000,000ページ) という計算に

この本の著者は $1,000 の分配金を受け取ることになります。

無名著者がKUで稼ぐための考察

「アフィリエイトを始める人が読む本」の販売実績

2017年12月5日に販売開始した「アフィリエイトを始める人が読む本」の一ヵ月間の既読ページ数のグラフです。

「アフィリエイトを始める人が読む本」の販売開始から一ヵ月間の日別既読ページ数グラフ

※39ページの本です。日に200ページ読まれれば多いと感じるレベルでした。

以前出した本のKindle Unlimitedからの収入は「OLのランチ代くらい(月収)」というレベルで、個人的にはアフィリエイトの方が断然儲かるという結論です。

読まれ続けるための課題とニッチ戦略

出版後に読まれ続けるためには、新着アドバンテージの喪失や、宣伝の難しさといった課題があります。

  • 新着アドバンテージの喪失: 出版直後は目につきやすいものの、日が経つとランキング圏外になり、見つけてもらうことが難しくなります。
  • 宣伝の難しさ: SNSでの宣伝は手軽ですが、過度な宣伝は逆効果になることもあります。

私の経験では、「ソーシャルゲームプランナーのお仕事」のようにニッチな市場をターゲットにした内容であれば、無名の個人でも地味に存在感を発揮し、出版から日が経っても読まれる傾向がありました。

KUは収入源としては微々たるものですが、Webページにしても利益が得られそうにないニッチな知識は、電子書籍として吐き出した方が「先行者利益」のような淡い期待を含めても、得策だと考えています。