ゲスい稼ぎ方について

ゲスさの基準は人それぞれですが、クリーンでない商売方法があるのは確か。法的に問題が無くても、「汚ねぇ」と感じてしまうことも、少なくないでしょう。このページでは、サイト管理人が「クリーンじゃないな」と感じたネット集客を書いています。

金運がアップする動画

「金運がアップする動画」といった意味合いのタイトルで、動画をアップします。「私は、この曲を聴いた数日後に宝くじが当たりました」みたいな説明付きで。これだけで、再生数が伸びるかもしれません。実際、そういう動画があります。

稼げる曲は、どうするのかって? フリー音源で充分ですよ。Amazonプライム会員なら無料で聴けるのを使っている人もいました。これは完全にダメな話です。でも、再生数を稼いでいる。

「金運がアップする動画」で金運がアップしているのは、動画をアップした人だけ。この話を聴いて、「許せない! 全部、削除申請してやる」と思う人。自分も、やってみようと思う人。何にも思わない人。あなたは、どのタイプでしょうか。

足あとで集客

ブログの中には、訪問者の履歴を残せるものがあります。fc2ブログなら訪問者リスト、アメーバブログなら「いいね!」履歴。そこには、訪問者のブログへのリンクも貼られているので、どんな人が来たのか気になる人は見てしまいがち。

この手の履歴が残るのは、同じブログ・サービスを利用している人に限りますが、「自分のブログを宣伝できる」ことに変わりありません。

これを利用して、自分のブログで宣伝している物を売ろうとする人がいます。ダイエット商品を扱っているなら、「痩せたい」と書いている人のブログに行き、痕跡を残して集客するといった具合で。

相手は痩せたい人なので、ダイエットで痩せた系のブログタイトルなら、気になって見てくれることでしょう。SEOとか関係なしに、潜在顧客にダイレクト・アタックできます。

このやり方だけ見れば、「どこがゲスいの?」と思うかもしれません。ですが、想像してみてください。「あなたも、これが好きなんですね」みたいなことを言って、親しげに近づいてきた人と仲良くなり、「同じ話題で盛り上がれるって、いいな」とか思っていたら、「これがオススメです」と商品を売りつけられる様を。やっていることは同じです。

「あなたも、あそこの出身で? 私もなんですよ」と言って話し始めるセールスマンと一緒。相手との共通点を探り、そこから踏む混んでいくセールストーク術。そんな営業を嫌っていたのに、ネットでは自分が似たようなことをしている。

相手の記事なんて読んでないけど「いいね!」を押し、相手に興味はないけど痕跡だけは残す。獲物を捕るための罠を仕掛けるように。

訪問者の履歴は、同じ趣味の人同士を繋げやすくする機能だったのに、潜在顧客を探し出してアピールする機能として使われている。なんか、卑怯だ。これはゲスいと思えてきたら、あなたは そういう人なんです。逆に、「商売って、そういうもの」と思えるのなら、そっちのタイプなんです。

これと似たような手法が、HTMLのサイトでも行われていた時期があります。アクセス解析をしている人向けの集客になりますが、参照サイトのデータ経由で自分のサイトに呼び込むものです。他サイトのリンク経由で来た人がいる場合、以前はリンクを貼っているサイトのページがすぐわかりました。

今でも、「Search Console」の「サイトへのリンク」でわかりますが、以前はアクセス解析のデータを見れば表示されていました。「自分のサイトにリンクを貼ってるのは、どんなサイトだろう」と気になった人が、相手のサイトに行ってみるとリンクが見当たらない。

「リンクを設置」⇒「リンクを踏む」⇒「リンクを撤去」⇒「訪問者がリンクを探して長時間の滞在」というパターン。運よく、そこにあるアフィリエイト・リンクでも踏んでもらえるならラッキー。何も買われなくても、サイト滞在時間を稼げば、サイトの価値を検索アルゴリズムにアピールできるかも。そんなところでしょう。

SNSで集客

DMで集客

SNSは、承認欲求を満たしたい人が集まる場所。自分の発言に「いいね」されたいし、「リツイート」されたりしてバズりたい。多くの人に価値を認められることで、自分自身を認めたいという欲求が渦巻いています。

そんな場所で、誰かが自分の発言に「いいね」したり、「リツイート」したり、「ふぁぼ」ったりしたら、相手のことが気になり始めます。「自分を認めてくれた人は誰だろう」という気持ちで、その人をフォローしようものなら、リンク付きのDMが送られてきます。

そう、単なる集客の手段に過ぎないのです。「いいね」「リツイート」「ふぁぼ」といった行動は相手に通知されるので、それを見て反応してきたら売り込む。

今までの発言で、相手が売りたい商品に関係のあることを言っていたら、そこでターゲット入りの可能性が高まっていたのです。これも「足あとで集客」と同じような潜在顧客へのダイレクト・アタック。

さらに汚い手法では、バズったツイートを利用するものがあります。まず、バズった人と同じアイコン画像のアカウントを作成。同じユーザー名にはできませんが、似たような名前にします。

そんなアカウントを用意したら、バズったツイートにリプライします。ツイート主を装っていますので、アイコンだけで判断している人には、ツイート主の発言だと誤解されるでしょう。

その誤解を利用し、「今なら何かもらえるよキャンペーン」へ誘導し、そこで得たデータを悪用するのです。ユーザー名を見れば“なりすまし”だと気付きますが、本人のツイートのリプライに偽物がいると思わない人には、「本人からのメッセージ」として受け取られることでしょう。胡散臭い内容でも、「あの人が言っているなら」と信じてしまいがち。恐ろしいことです。

信者レビュー

「この本を読んだら人生が変わりました」「良書です」「XXしなくて済むようになりました」「誰でも変わることができると実感」といったレビューで、星が5つある本は珍しくありません。

しかし、よく見るとレビューを書いている人は、その作者の本にしか買ってないご様子。まるで、作者のレビューを書くために、アカウントを作ったかのよう……。

そうです、いわゆるサクラです。でなければ、信者のレビュー。良いレビューが集まれば、高評価順にしたときに上に来る。良い評価なら、買おうとする人が増える。だから、従順な手駒を使ってレビューを書かせ、良い本を演出しているのです。

商品の価値を誤解させたら詐欺罪。虚偽の宣伝なら消費者契約法に抵触。そんな可能性もあるわけで、アイドルを装ってメールを送って捕まった人もいます。サクラであればゲスいというよりはダメなんですが、信者が書く場合は「本当のいい」と思っているのでガチです。

確かにガチですが、価値のない物でも教祖様の本は有難い。そう思えるよう洗脳したやり口にゲスさを感じます。人から冷静な判断を奪って、物を売り込むのはゲスの極み。そういう意味では、不安を煽って物を買わせるのも同じですね。

ASPのピンハネ

なんて書けばいいのか わからなかったので、取り敢えずASPのピンハネとしておきます。この場合のASPは、アフィリエイト・サービス・プロバイダです。

具体例を出します。「古着衛門」「買い取り衛門」を運営する株式会社エモングループは、電脳卸で広告主をやっています。広告を出す側ですね。成果報酬は古着衛門が100円、買い取り衛門が300円と安い。

でもって、この古着衛門には「もったいない本舗」「ブックステーション」「RINKAN」「古着買取王国」のアフィリエイト・リンクがあります。バリューコマースの案件ですね。

こちらの報酬は、「もったいない本舗」の買取が720円、「ブックステーション」も720円、「RINKAN」は1,620円、「古着買取王国」は1,296円となっています。

100円や300円という低単価で集客し、それ以上の金額へと誘導するなら、ある意味においてピンハネと言えるかもしれません。まぁ、電脳卸で出稿する費用もあるんでしょうけど……。

フェイク広告

これはゲスいというか、犯罪になります。著名人の画像の一部を加工し、売りたい商材を使っているようにし、売上アップに繋げるというもの。なんて言うのかと思っていたら、「クローズアップ現代+」で「フェイク広告」と呼ばれていたので、それを使わせてもらいます。

この回は「ネット広告の闇」と題し、よろしくない宣伝方法が紹介されていました。