電子書籍が出版されるまでの流れ

私がkindleで電子書籍を出版した流れ、と言っても「何で出そうと思ったのか」ではなく、何をどうやって出版したのかの話です。「電子書籍って、どうやって作るの?」というところから始まっています。

電子書籍の形式を知る

「Fire タブレット」を買ってkindle本を読んでいるうちに、結構な数の一般人が本を出していると知り、自分もやってみようかなと思って取りかかりました。最初に、電子書籍のファイル形式を調べたところ、「EPUB」という電子書籍ファイルフォーマット規格を知りました。

このEPUB形式にWord文書を変換するサイトは幾つかありますが、縦書きにすることを考えると「Romancer」がベストと判断。テキストファイルで用意した文章をWordで縦書きにし、先のサイトでEPUB形式に変換することにしました。これで完成です。

ただ、電子書籍と一口に言っても、kindleの他に楽天Koboもあります。先のサイトではファイル変換後、EPUBのダウンロードは通常のものとKindle専用で分かれているように、媒体によって仕様が異なるので「何で出すか」に注意が必要です。また、EPUBにもバージョンがありますので、古いバージョンにしか対応していない変換サイトを使う場合は気をつけましょう。

電子書籍の素材を用意する

基本的には文章を書けばOKですが、横書きから縦書きにするときは、縦書きに不向きな記号は避けた方が無難です。例えば、“ ”です。縦書きだと不格好なので、これは使わないことをオススメします。

次に、見出しを入れます。Wordの機能を使って見出しを入れれば、「Romancer」で変換時に目次としてリンクを貼ることが可能です。私の場合、本のタイトルを「見出し1」にし、章のタイトルを「見出し2」にしています。「見出し2」ではなく、「見出し3」を目次にすることも出来ます。

テキストファイルではルビを振ったりしないと思いますが、Word文書にしたら「亜」の上に「ア」と書かれたメニューを押してルビを入れましょう。勿論、読みにくい漢字を使っていればの話です。「強敵」と書いて「とも」と入れてもいいですけども……。

また、改ページ(Ctrl+Enter)は、そのまま改ページになるので、章の終わりに入れた方が読み易いと思います。ちなみに、傍点は強調表示したい文字を選択し、「フォント」グループの右下にある矢印をクリック。あとは「傍点」のプルダウンメニューから使いたいものを選ぶだけ。俗に「マルシー」と呼ばれている著作権表記は、「ちょさくけん」と打って変換すれば、「記号」メニューで出るはずです。

縦書きで見かける「!?」の一文字表記は、「縦中横」の機能を使えば可能です。この機能を使いたい文字を選択後、「A」の上に「← →」が書かれたメニューのプルダウンから、「縦中横」を選ぶことで換えられます。半角数字にも適用できます。

文章以外では、表紙の画像が必須です。詳しいことはAmazonのヘルプページを見てもらった方が早いので、下記の通りリンクを貼っておきます。

カタログ・表紙画像の作成について

電子書籍の出版に必要なこと

kindleで出すならAmazonのアカウントが必要です。あと、出版者(出版社)情報を登録することになります。振り込み先も要るので、銀行口座を持ってい無い人は用意しておきましょう。

以前は、Amazonがアメリカの会社だけあって、向こうの所得税を払う為に、あれこれ面倒な手続きが必要だったようですが、今は「Taxpayer Indetification Number(TIN)」が無いこと等を明言すればOKです。この文章は、マイナンバー導入前の情報を参考に書いています

商品データとしては、題名、フリガナ、ローマ字、著者名、著者名のフリガナ&ローマ字、本の内容、登録カテゴリー、販売価格が必須。本に関するキーワードを最大7つ入れることもできます。年齢制限があるもの、版、シリーズといった項目もあります。

価格は99円~20,000円の範囲から選択することになりますが、Kindleセレクトにしてロイヤリティを70%にしたい場合は250円以上にします。販売価格を米ドル基準にするなら、主なマーケットプレイスは「amazon.com」で価格設定し、日本の円基準にするなら「amazon.co.jp」にします。その辺のことも、Amazonのヘルプページを見てもらった方が早いでしょう。

出版までにかかる時間

必要な情報とファイルを用意して出版申請すると、本のステータスがレビュー中になり、48時間以内に出版の可否が連絡されます。私が最初に出した「ソーシャルゲームプランナーのお仕事」は、2017年4月3日17:10に申請したところ、同年4月4日2:24に販売が開始されました。

既にウェブ上で本の内容が公開されている場合、つまりはウェブ小説などで展開していたものを書籍化すると、申請後に権利確認のメールが送られてきます。別名義で本を出した時、ある日の21:28に申請して同日23:28にメールが来て、翌日の8:27に再申請したところ、その日の12:39に出版連絡がありました。まぁ、このくらいのスピード感があるということです。