個人サイトをAIでリニューアルして思ったこと
長年手入れをしていなかった個人サイト(当サイト)を、AIアシスタント「Gemini」を使ってリニューアルしてみました。既存のHTMLとCSSをAIに読み込ませ、「今っぽいコードに書き換えて」と依頼した際の結果や、気づいたこと、そして今後のコーディング作業について感じたことをまとめます。
制作環境と実行方法
- 制作環境
- Gemini(無料版)に既存のHTMLとCSSを読み込ませ、今っぽくコードを書き換えてもらう形式で実行。
- 実行単位
- 1ページずつ実行。
実行して感じたこと(メリットとデメリット)
メリット
- 今っぽくはなる: HTML5のセマンティックな構造や、モダンなクラス設計が適用され、構造の現代化が一気に進みました。
- 自分で全工程をリニューアルするよりは早く終わる: ベースとなるコード生成の工程が短縮され、作業全体のスピードが上がります。
デメリット・注意点(検品が必要な理由)
- 新たなページを書き換えるたびにCSSの新たな記述が増えていく: ページ間の文脈維持が苦手なため、クラス名やスタイルの重複・非統一化が発生します。
- HTMLの内容が途中で切れることもある: 特にコンテンツが長いページでは、AIの出力制限によりコードが最後まで生成されないことがありました。
- 環境依存文字を使用されて「?」になることが多い: 電球マークや音楽プレイヤーの再生記号(三角形)など、特定の記号が文字化けするリスクがありました。
- 記述が変えられることがある:
- フッターの暇つぶし記事の閉じタグに余計なものがついていた。
- ヘッダーの画像が省略され、文字になっていた。
- Kindle Unlimited (KU) やKindle オーナー ライブラリー (KOLL) など、書き換え前になかった( )内の略語が出てきた。文章も部分的に変更されています。
- 「〇〇:△△」のような全角コロンが「`〇〇: △△`」のように半角コロン+スペースに標準化されることがありました。
- 強調したい文章の前後に「**」がつく。
- ページで使用している画像を見せずに生成させるより、視覚的なフィードバック(キャプチャーなど)を見せた方が意図が伝わりやすい。
- JavaScriptなどは動かないこともある: HTML構造の変更により、既存のJSコードがDOM要素を見失い、動作不良を起こすことがありました。
AIとコーディングスキルの将来
これらの経験から「AIに仕事を奪われる」というより、「需要が減るソフト」の方が多いと感じました。例えば、Dreamweaverのような統合開発環境です。
HTMLのコーディング自体はAIに任せられるものの、変なコードを吐き出したり、不足分があったりするため、コードが読める人(デバッグや検品ができる人) は必要です。しかし、修正・検品作業に高度な専用ソフトは必要なく、シンプルなテキストエディタがあれば十分です。
結論として、AIは強力な下書きツールであり、リニューアルの初速を劇的に上げるものの、最終的な品質を保証するには人の目による確認(検品作業)が不可欠です。